【K&Oエナジーグループ(株)(1663) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

2019年6月29日
プレゼンター: K&Oエナジーグループ(株)梶田 代表取締役社長
主催: 大和IR 大阪

K&Oエナジーグループの「K」は関東天然瓦斯開発(株)の「K」、「O」は大多喜ガス(株)の「O」、生産と販売を担当している二社の名前が由来だという。

千葉県で天然ガスの生産

本社は千葉県茂原市。千葉県で天然ガスの採掘とガス関連製品の販売、ヨウ素の採取と販売事業を行っている。

日本の千葉県で天然ガスの採掘とは驚いた。国内天然ガスの生産状況はと見ると、新潟、北海道、千葉などで天然ガス生産が行われているが、これらは国内ガス供給量の約3%に相当。

国内天然ガスの生産はその埋蔵状態によって、地下深くに密閉される形で存在するガスを深く掘り下げたパイプで採取するものと、地層中の地下水に溶解しているものを水と一緒にくみ上げて分離するものとの二種類ある。主に新潟、北海道のそれは前者であるが、千葉県には広い地域に後者方法で採取できる水溶性天然ガスが存在する。

同社は、千葉一帯の地下に地下水とともに昔から眠る天然ガスを採取、分離し、千葉で販売する事業を中核としている。千葉で生産して千葉で販売することから、「千産千消」と自らの事業をキャッチコピーで語っている。

千葉県で同社が供給しているガスは、この千産千消もあり、全国的にも価格が一定して安価なのだという(同地域を1とすると、大阪ガス1.14、西部ガス1.51、東京ガス1.02など)。

ヨウ素、希少な国産世界高シェア資源

また、地下から掘り出す地下水には、天然ガスとともにヨウ素を豊富に含み、このヨウ素は人体の成長に必須の成分であり、またその優れた殺菌作用から医療などでも使用され、またレントゲン撮影時の造影剤として、また液晶偏光フィルムでの用途など、工業用での用途も広がっているという。

このヨウ素の、全世界での生産量の約30%が日本国内で生産され、その内の約80%が千葉で生産されるという。資源小国日本の中で、珍しく日本が、そして千葉が、世界にかなりのシェアーをもって供給している製品だと言える。

このように、同社は地元消費で安定して供給を続ける天然ガス事業と、世界でシェアが高く、また需要が広がりつつあるヨウ素を2本柱として、現在、供給能力の拡充、拡大化に向けて鋭意努力中とのこと。

「もう一本柱が欲しい」、こう言われる社長の発言に、確かに安定して業務を続ける同社だが、さらなる大きな成長のためにはもう一つ、あらたに鍵が必要との、同社の切なる声に聞こえる。

この、新たな鍵を見つける同社の今後の努力と動向に、そしてまた、国産の天然ガスの将来に注目したい。


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