【東鉄工業(株)(1835) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2019年9月19日
プレゼンター: 東鉄工業(株) 柳下代表取締役社長
主催: 日本証券アナリスト協会(大阪)

鉄道関連工事の専門技術をコアコンピタンスとする総合建設業」。

これが、IR説明会資料の会社概要のトップに記された言葉である。

説明を聞き終えて、なるほど、よくこの会社の骨格を一文で上手く表現している言葉だなと感心した。

自社の活動や事業内容を一文で表現する、もしこれがうまく出来ていれば、経営上の判断にも資するし、会社の求心力向上にも作用する。

売上に占める部門別割合は、線路部門が約25%、土木部門が約40%、建設部門が約30%となっている。

線路部門鉄道の軌道敷設やその整備、土木部門は鉄道ホームの安全ドア設置や鉄道の駅舎の建設や修繕、橋梁工事など、建設部門はJR跡地利用の建設工事など。

同社を取り巻く事業環境はフォローの追い風が吹いているという。それらは、
- 駅のホームドア設置やバリアフリー化など安全、安心ニーズが高まっている
- 地震対策や降雨、暴風などの異常気象対策への防災、減災対策のニーズが高まっている
- 鉄道橋梁は建設されてから約60年、トンネルは約70年と寿命を迎えつつあり、インフラの長寿命化対策や更新需要が増えていく
- 品川再開発、中央線快速線のグリーン車サービス、羽田空港アクセス線などのプロジェクトが控えている
- 東京オリンピック、パラリンピック関連とインバウンド関連の需要が高まっている

現在の日本市場で頑張っている企業の中では、なかなか明るい事業環境である。

一方、現在の社員の約四分の一が55歳以上で、今後10年間で定年退職等を迎え、今後の人手不足にどう対処していくか、緊急の対策を要する事態ともなっている。

その対策として、一人当たりの生産性向上のための技術開発や機械への投資、労働環境の改善で人を引き付けられるよう、働き方改革や女性の活躍推進などを現在集中的に行っている。

これらの諸策は費用アップにもつながるので、前々期、前期の減益にもつながっている。

追い風の事業環境と逆境の人手不足、これらのバランスをどう取って今後経営を進めていくのか、非常に興味深い会社である。


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