開催日: 2019年9月20日
プレゼンター: (株)アルトナー 関口 代表取締役社長
主催: 日本証券アナリスト協会(大阪)
個人向けに開催されるIR説明会で、その企業のトップのお話を直接聞けるのは大変ありがたい。企業の概要や直近の業績だけではなく、今後その会社をどのように導いていこうとしているのか、責任者から直接話が聞けるのだから。
総じて大企業の方がIR担当者からの説明が多く、小型の会社の方が社長自らのお話を聞ける機会が多いが、それはこちらにとってもありがたい。
正直、大企業のトップは多くがサラリーマン社長であり、誰が社長になってもそんなに会社や業績が急展開することは珍しいが、小型の会社のトップは多くは自分自身が大株主でもあり、また会社の状況も会社の中で一番把握しているので、その人自らの口でしゃべる話は、投資家の立場からは大変参考になる。
本日の(株)アルトナーの関口社長のお話も、現在の悩みや今後その悩みをどのように解決して会社を伸ばしていこうとしているのか、分かりやすくお話いただき興味深い内容であった。
同社は理工系の学生を新卒で正社員として雇用し、研修を通してスキルアップし、主に自動車や電気機器メーカーなどに派遣、配属している。
売上は顧客企業に派遣している技術者の対価としての労務費を計上するため、
売上=技術者数x稼働率x技術者単価x労働時間
となる。そのため、売上や利益を向上させるためには、技術者の数を増やし、技術者が対価として派遣先からもらう技術者単価を上昇させるなどの施策が必要である。
一般にメーカーの業務工程は、
商品企画→研究開発→製品開発→生産関連
となるが、経験上、派遣した技術者は景気の波で派遣の継続、停止が左右される度合いは上記の右側に行くほど大きいため、現在少しでも左側の領域で人が送り出せるように社員の能力を広げ、向上させているという。
人手不足の中でさらに技術者の数を増やしていくために、通常のリクルート努力に加えて、メーカー等をリタイアされたシニアの方、子育てなどを一区切りつけられた元エンジニアの女性、技能、知識を有する専門知識を持つ外国人留学生などの人材を積極的に採用を増やそうとしている。
このようなキャリアを持つ人々を、より有効な形で活用できる体制を整えるために、現在顧客企業への従来型の技術者派遣に加えて、顧客から工程を請負う、受託型のビジネスも積極的に受注を図っているという。
景気の先行きに不透明感が漂う現在、景気悪化初期には顧客先は自社雇用人員を外部からの派遣社員や外部委託に切り替える傾向があるため、比較的に景気への耐性はある業態と言える。
会社が努力されている力点が分かりやすいために、引き続き今後もそれらの進捗状況に注目をしていきたい。
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