2019年4月12日
プレゼンター: 辻 専務取締役
主催: 野村MIRAI
いろいろな上場会社のIR説明会に参加させていただくと、それぞれの会社が世の中のいろいろな分野で最前線で業務邁進されている、その生の声が聴けることは本当に勉強になる。
本日は愛知県名古屋を中心に葬儀社を営まれている(株)ティアという会社。自分にとっては会社名も業務内容も初めて聞く会社。
葬儀市場は日本でこれから伸びるはず?
この会社は葬儀業務に特化している。冠婚葬祭や介護事業と組み合わせて事業を展開しているところもあるが、(株)ティアは葬儀のみに事業を絞り、地域も名古屋を中心とした直営によるドミナント戦略と、異業種に対するフランチャイズによる葬儀ビジネス参入提案、ノウハウ提供という、傍目からその目指しているところがはっきりとわかりやすい会社という印象であった。
葬儀事業も、創業当時の業界の不透明な慣習を変えるために価格の完全開示とその適正化を提唱して自らある意味価格価格破壊者となって業績を伸ばしてきたというストーリーも比較的わかりやすい。
葬儀市場というと、今の日本では珍しく、今後の人口動態を考えると2040年に向けて1.3倍程度増加していく基調にあるらしい。となると事業もこの流れから自然と拡大していくのかというと、どうもそうは単純ではないらしい。
世の中は、今までのような一般葬儀から家族葬へ、また死亡年齢の高齢化や核家族化により葬儀規模は縮小化、そもそも葬儀を行わない、などなど、確かに葬儀件数は増えるのかもしれないがその規模はどんどん小さくなっていくのは、自分の身近に考えても十分理解できる。葬儀件数は1.6%と増加しているが葬儀単価は1.5%の減少と、直近の数字にもこの傾向は表れている。
葬儀市場に参加している事業者も、ティアのような葬儀専門の会社が397社でその市場でのシェアー28.4%、一方、冠婚葬祭の互助会というジャイアントグループが172社でその市場シェアーが67.2%と、小規模の専業会社と大きな互助会が入り乱れている乱戦市場ということらしい。ティアは現在この専門事業社397社の2位であり、まずはこの1位を目指し、方や互助会グループとの競争も行っていくという構造のようだ。
比較的小規模の葬儀会場を名古屋を中心に直径3㎞を一つの商圏として集中的に増やしていく徹底したドミナント戦略や、人材育成に半年もの研修期間を持って人材を戦力化していくこと、他地域では異業種からのFCの活用、東京地区でのサロン展開など、自社の進むべき方策が投資家にもよく伝わる説明会であった。
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