2019年7月11日
プレゼンター: エスコジャパンリート投資法人 代表取締役 大森社長
主催: SMBC日興証券 大阪支店
久しぶりのリート法人。
今日のエスコンジャパンリートに限らず、最近リート全般が価格を上げている。
リートをちゃんと選べば、かなり安全に安定した配当がもらえるのだから、別に人気が再来しても不思議はないのだが、気になるのは資金がどこから流入しているのだろうか、という点。
老後年金2,000万円不足などのニュースによって、金利のつかない銀行預金などの低リスク商品から、少しリスクを取っても金利を取るために流入してきたのか?
あるいは、株式などのより高リスク商品の先行き見通しに不安を持って、より低リスクのリートに資金が流れてきたのか?
まあ、リートが動き出した時期を考えると、後者の動きがベースにあり、そこに少々前者の動きが加わった、こんなところだと、推定はしているのだが。
もしそうなると、イールドカーブの長期と短期の逆転が話題になって久しいが、ここでも似たような現象が目に見える形で表れていることになる。
リートの実態は投資法人。その投資法人は、投資家から集めた資金、および銀行からの借入金で不動産を購入し、その不動産を賃貸で運用、得られる賃料を収益として、投資家に分配金を、金融機関に元利金を払っている。
投資家のメリットとしては、
- 通常大きな資金が必要な不動産投資を小口で出来ること
- 株式同様に売買できること
- 投資法人として税金を払う必要がないので、投資法人の上げた利益のほとんどを分配金として受け取れること
が大きな特徴として挙げられる。かなり良いとこ尽くし。
リスクとしては、通常の不動産投資と同様、
- 投資した不動産に借り手がつかないなど、稼働率が想定割れすること
- 天災などにより投資対象の不動産価値が棄損すること
- 予想外の金利上昇が起こった場合、実質収益が低下すること
などが挙げられる。
よって、各リートはどこも、いかに安全で安定した資産を確保できるかに工夫をこらしている。
底地に重点投資した初めてのリート
エスコンジャパンリートの場合、商業施設を中心に資産ポートフォリオを作っていること、かつ、事業用定期借地権の土地部分である底地を中心に投資していることが特徴であると。
特に、底地に重点投資をした初めてのJ-RIETがエスコジャパンリートなのだという。
旧型人間としては、借地権というと、借地の更新や賃料の変更、立ち退き要求などの場合、底地権に対して強い立場にあり、底地権者は正当な理由がない限り契約更新を拒否できない、といった、どうしても悪いイメージを持っている。
本リートで採用している借地権は、定期借地権で、契約期間満了により、賃借人(投資法人)に更地で戻ってくるという形態をとっており、上記のような危惧を取り除いているという。
まあ、定期で期限は区切っているのだから、逆に自然災害や経時的な老朽化を心配しなければならない建築物なども存在せず、安定して淡々と収益があがるという底地のプラスの面を評価すべきなのだろう。
この、安定賃料収入を望むリートと底地との相性の良さから、昨今、他のリートでも、底地を組み入れるものが増えてきているとのこと。
金利が上がる局面が現れた場合はかなり弱いんじゃないの、こんな危惧を先々から考えてしまうひねくれ者は自分くらいか。
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