【Hamee(株)(3134) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2020年2月10日
プレゼンター: 冨山 執行役員経営企画マネージャー
主催: 野村証券 梅田支店

【Hamee】と書いて”ハミー”と呼ぶらしい。
本社は神奈川県の小田原。

四季報の事業概要には、スマホやタブレット向けアクセサリーのデザイン・販売。クラウド型EC事業支援システムも、などとある。

1998年の創業からしばらくは、当時のガラケーに付けるストラップなどのネット販売を主に業務としていたらしい。

その後携帯電話の主流はガラケーからスマホに移行し、それに伴って同社の主力製品もストラップからスマホケースへと移っている。

当時ネット販売を主力としてそれらのアクセサリー類を販売していたところ、単価1500円程度の商品で注文が増えれば増えるほど、社員やスタッフが忙しくなるばかり。受注増が自らの首を絞めるようにブラックの淵に追い落としていく、そんな状況を何とか改善しようと、思い切ってネット販売に特化した受発注システムを社内用に開発し、稼働させ始めたのが会社設立から10年近くたった2007年。

ECコマース上で注文を受ける業者は、その裏でたくさんの作業をこなしている。たとえそれが消費者がたった一つのクリックで注文したものでさえも。

消費者の目を引くように写真などを添付した商品を登録しなければならない。そして受注、在庫を確認して発注者に返信、倉庫への出荷指示と出荷後の案内送付、等々。

これらのバックオフィス業務を、現在では多くの業者は一元管理できるシステムを導入して対応している。

そのシステムでHameeが開発した【ネクストエンジン】がトップシェアなのだという。Hameeは自社用に開発したそのシステムを、翌2008年から外部業者にも提供を始めている。そして現在のトップシェア確保に至っている。

現在このシステムは、楽天やYahooショッピング、amazonなどに対応できるカート連携システムやキャッシュレスの決済管理システム、顧客管理システム、POS連携システム、倉庫連携システムなどの関連業務を取り込んだプラットフォームに進化しており、Hameeとしては引き続きこの【ネクストエンジン】での顧客のECコマース業者が取り扱う受注処理金額の増加をはかっており、ビッグデータ活用など次への布石の土台とすべく展開を考えているという。

現在海外で席捲している【shopify】に関して、【shopify】がEC店舗開設、運送機能が中心であり、受発注処理や在庫管理などの分野で【ネクストエンジン】とは競合するよりも補完できるものと考えているという。

今まで同社のシステム事業(同社のセグメントではプラットフォーム事業)についてふれたが、実は現在同社の売り上げの約8割はスマホアクセサリー関連の製品が占めている。

スマホはAndroidはメーカーや機種が多様にあり、Elecomがトップシェアでそれぞれの機種にあった専用ケースを販売しているという。それに対して、Hameeは単一機種でたくさん売れているものに特化して製品を用意している。同社のiPhone用のケース【iFace】はブランドとしてかなり浸透しており、実際、女子高生などの間ではその認知度はかなり高いという。

機能性、実用性とデザイン性とのバランスよい両立が大ヒット製品につながったようである。

これらの製品は日本のみならず、中国、韓国、インドへ現地の自社販社を通して販売しており、生産と開発は韓国に集中させ、グローバルな協業と展開が出来ているという。

アメリカ市場へは価格帯の問題があり過去苦戦しており、今後は既存の製品をばらまくのではなく、市場市場にあった製品を開発して投入する、アメリカ市場に関して言えば、具体的には価格帯を抑えた製品を専用に開発して展開してく予定だという。

一方、新規製品としては、Wifi環境でスマホを持てない子供向けに家庭でスマホに代わるコミュニケーションツールとしてHamicというクマ型の機器を開発販売している。今後はこの製品で新市場を開拓し、同時にストック型のビジネスの展開も図ろうとしている。

また、新たに住信SBIネット銀行との連携でEC事業者向けにオンライン融資を検討するなど、フィンティック事業への進出も企画中だという。

過去着実に増収を継続する同社経営陣の手腕には敬服する。今後プラットフォーム事業での新規競合先の増加やshopifyを始めとした動きのはやい市場環境、iphone中心のアクセサリー製品からの脱皮などをどのように進めていくのか、注目していきたい。


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