2019年7月12日
プレゼンター: ヘルスケア&メディカル投資法人 吉岡執行役員
主催: 日本証券アナリスト協会(大阪)
最近RIETの価格が全般的に上がっている。そしてRIET関係のIR説明会も明らかに増えてきている。
価格に関しては、低リスクの預金などから中リスクのRIETに資金が流れている、と見るよりは、より高リスクの株式から中リスクで分配金を配当で取るRIETに資金がながれている、と見るほうがおそらく正しいのだろう。
説明会が増えているというのは、投資信託が価格が上がってくるとその説明会が徐々に増える、そして一番価格のピークが説明会の頻度もピークになる、ということと同じ現象かとも思う(笑)。御多分にもれず。
だが確かに価格が上がっているとはいえ、分配金の配当レベルはまだ魅力あるレベルにあるものも多く、もうしばらくはRIETばやりも続くのであろうか。
今回のRIETはヘルスケア施設に重点的に投資を行っているヘルスケア&メディカル投資法人。
RIETのIRというと、いきなり専門用語をいろいろ交えながら説明に入るところも多いなか、RIETとは、という話からかなり丁寧に、そして分かりやすく説明する姿勢は、好感を感じた。
特徴としては、介護、医療に特化していること、またRIETとしては病院不動産を組み入れている唯一のRIETであるということ。
具体的な投資対象としては、高齢者向けの施設、住宅(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等)、医療関連施設(病院、医療モール、健診センター等)、そしてその他のデイサービス事業所やフィットネスクラブ等となっている。
自らの特徴として、三つ挙げている。
- 成長が見込まれるヘルスケア市場が対象
- スポンサーによる強力なサポート
- 長期安定的なキャッシュフロー
どこのRIETにでもでてきそうな特徴ではあるが、こと投資対象が比較的に特殊な介護、医療関連となると、これらの特徴も一つ一つにより説得性が感じられた。
専門性の高い分野を投資対象とするRIETでは、スポンサーとの相性は概して悪くない。
特に一般的なRIETで、スポンサーとの関係が、デベロッパーとその開発地に投資するRIET、となると、どうしても利益相反の線引きに対してにらみを利かしてしまうものが多いなか、専門知識を持ってスポンサーにあたる(ヘルスケア&メディカル投資法人においてはSHIP HEALTHCARE)との組み合わせは、お互いのすみ分けと分担が比較的に理解しやすく、WinWinになりえる可能性のあるものだと思った。
資産拡大の目標は、最近2月の公募増資後に648億円となっており、これを1,000億円までもっていくことが目標なのだという。なぜ1,000億なのかというと、そのレベルになると、充分な流動性が確保できるのだという。資産運用者としては、確かに流動性不足で投資口価格が乱高下することは、決して好ましいことではないのだろう。
投資対象と考える場合、賃貸契約残存年数平均15.2年、稼働率99.9%、などと介護、医療市場の動向、将来性をにらんで考えることとなるのだろうが、オリンピックや万博後の景気や土地価格はどうなる、などとあまり報われない予想するよりは、多少は確度の高い見通しがえられるのではないか、との印象を持った。
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