【大幸薬品(株)(4574) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2019年11月22日
プレゼンター: 大幸薬品(株) 柴田 高 代表取締役社長
主催: SBI日興証券 大阪支店


大幸薬品、ラッパのマークの正露丸が頭に浮かぶ。 ラッパの音とともに。

正露丸は日露戦争の頃に主に軍隊の兵士さん達の衛生管理から使われ始め、当時はロシアに負けないようにと征露丸の名前が使われ、明治末期にその「忠勇征露丸」の製造販売権を現大幸薬品の創業者が取得して引き継ぎ、その後、正露丸の名前はいくつかの裁判などを通して現在は普通名称となっており、大幸薬品以外にも複数の製薬会社が製造して現代にいたっている。

プレゼンターの柴田社長は創業家の三男であったこともあり、途中医者を志して阪大の医学部に入り、豊中病院の外科部長などを経歴された後に大幸薬品に入社されているため、そのお話はかなり専門的なものではあるが、内容は分かりやすく、なかなか興味をそそられるもの内容であった。

まず、正露丸(原料名木クレオソート)では胃や腸に働いて整腸作用が起こるメカニズムや科学的な証明が以前はなされていなかったものが、研究により薬効の解明がされてきたこと。 その過程で、正露丸は元来殺菌効果にて効用があると思われてきたものが、実際は胃で吸収されて胃や腸に働きかけて整腸作用が行われる薬理効果があることが分かったこと、そのため腸内細菌には影響を与えずにすべての下痢症状に対応できることなどが分かってきているという。 

また、正露丸に次ぐ第二の柱を作るべく、二酸化塩素の感染抑制作用に注目し、病院などとの協業でそのインフルエンザウィルス感染抑制効果の有効性を見出し、空間感染対策という独自の視点から新商品のクレベリンをマーケティング、商品開発、拡販を行っている。

このように、商品販売や開発へのアプローチがまず科学的な根拠の裏付けを基に行い、その後それらを基に適切なストーリーを作り、そして適切なマーケットや消費者に絞ったアプローチでマーケティングを行う、この好循環が現在の大幸薬品には働き始めているような印象であった。

大幸薬品は今後このような形で、正露丸の深耕と周辺市場の開拓、空間汚染対策の市場拡大、そして新たな第三の柱の開発を行っていくものと思われる。

大幸薬品はまだ売上が前期にやっと100億円を超えた、まだ薬品メーカーとしてはかなり小粒な会社ではあるが、小さな成功体験の積み重ねが今後花開くかもしれない、そんな可能性を感じさせる説明会会社であった。


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