【アグロ カネショウ(株)(4955) 個人投資家向け会社IR説明会参加メモ】

2019年4月12日
プレゼンター: 井上 代表取締役専務
主催: 野村MIRAI

農薬の中堅メーカー。
農薬というと、住友化学とか世界ではバイエルとかデュポンとか、どうも大手メーカーのイメージしか今まで持っていなかった。

農薬のメーカーってこれからどうなの?

この会社は果樹や野菜農家向けに土壌消毒剤や害虫防除剤を開発、販売している。

いただいた資料によると、もし、無農薬で育てた場合、りんごの場合97%、レタス77%、柿75%、桃70%、キュウリ61%等々、極めて高い率で収穫が減収してしまうらしい。要は果樹や野菜の農家さんにとっては、かなり必須な商品であるということ。

ただし口を通して果樹や野菜は人間に摂取されるので、その開発から認可取得までの期間とコストもかなりのものとなる。日本国内では新剤の開発には約10年、金額も薬30億円、これをもし海外へも展開しようとすると、さらに100憶円から200憶円と、膨大な費用と時間がかかるらしい。

これらの時間と費用をこなしながら、この会社の規模でやっていくのはなかなか忍耐強い経営が必要となるのは想像される(2018年売上実績15,411百万円)。

中規模経営の戦略として、
1) 果樹、野菜向けに特化
2) すべての農家がほぼ確実に使うという土壌消毒剤を強みとする(会社売り上げ比56%)
3) 個別農家への徹底的な密着
4) 将来を見据えた研究開発と海外展開
ということらしい。確かに1)と2)は同業他社と比べて特徴となっており、これば比較的高い営業利益を支えているのではと推測される。

ただそもそも、今後の日本の農業ってどうなの、という疑問が一方であるが、昨今の度重なる天災や、徐々に進む個人農家から法人農家への移行により、農薬の必要性は高まっており、将来も安定的に市場が推移するとの見解であった。

しかしそうは言ってもやはり日本市場だけでは大きな拡大は期待できず、中期計画では海外の売上高比率を現在の29.3%(2018年実績)から40~50%まで持っていこうという目論みである。

今まであまり馴染みのない業界、それも日本の農業に密接にかかわる業界として、今後も注視していきたい会社と感じた。



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