【住友金属鉱山株式会社(5713) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

2019年3月4日
プレゼンター:広報IR部長

さあ、住友金属鉱山。住友の名前や別子銅山には非常になじみがあるが、今、鉱山関係の会社が日本でどのような事業展開をやっているのか非常に楽しみにセミナーに参加した。

あの「相場師一代」(是川銀蔵著)に出てくる菱刈鉱山はまだバリバリの現役

たまたま最近読んでいた是川銀蔵の「相場師一代」の中で是川が会社側やマーケットと丁々発止のやり取りを行った鹿児島の菱刈鉱山が、未だに現役健在でその品位も世界トップクラス、埋蔵量もあと30年程度は持つと知って妙に感動。

「相場師一代」では住友金属鉱山はちょっとしょぼい会社には描かれていたけど、まあ真実は両者から話を確認して作り上げないとわからないことなので、それはさておいてと。(もちろんセミナーではそんな話は出てきません)

セミナーの話に戻ると、内容はというと会社の歴史と事業内容の紹介、事業戦略とその計画、業績の進捗と株主還元といったお決まりの中身に加え、今年2月に発表したばかりの2018年中期経営計画についての概略説明があった。

世界の非鉄リーダーを目指す

そこから理解できたメッセージとは、60年代以降、これからは自分で金属を掘る鉱山の時代じゃない、海外から材料を買ってきて精錬だけやり、またその他いろいろな新規事業へも多角化していきましょうといった試みが、99年のジェー・シー・オーの悲惨な臨界事故発生を経緯に頓挫。そしてあらためて心機一転、方針転換をして鉱山開発という本業への回帰の再スタートをはかり、その後のこの20年間近く、海外のいろいろな鉱山(主に銅、金、ニッケル)に参画して会社の新しい利益の源泉とし、その方針はこれからも引き続き継続し、最終的な目標としては「世界の非鉄リーダ―」を目指します、といった、ストーリーとしては比較的わかりやすいものであった。

鉱山の開発ってどうしても「山師」の言葉で表現されるように、やってみなければ判らない、といった不確定要因はついて回る。南米のSierra Gorda銅山では稼働率が上がらず多額の損失を計上したようだが、いかにトータルのリスクをコントロールしながら規模と利益の拡大を図っていくかというバランスセンスが何よりも要求されるビジネスなのだろう。

ニッケル事業は電気自動車のブームもあり、電池材料まで一気通貫で持っていこう、という腹のようではあるが、先ほどの本業回帰、という観点から言うとまたちょっと方針がぐらついているのかな、という印象はぬぐえなかった。

これからも、和製非鉄メジャーを目指して、どんどん邁進していってほしいです。
説明会、ありがとうございました。


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