【野村マイクロ・サイエンス(株)(6254) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2019年9月10日
プレゼンター: 野村マイクロサイエンス(株) 八巻 代表取締役社長
主催: 野村MIRAI(大阪)

野村マイクロサイエンス。正直全く聞いたことがない会社であった。名前聞いただけでは、正直野村系のシステム会社で野村総研があるが、それの小型版の会社かなくらいなイメージ。

そして説明会参加の前、予習段階では、半導体業界などに超純水を納めている会社で、野村グループとは全く関係ない、こんな認識であった。

金融界で大きな地歩を築いた戦前の15大財閥の一つ、野村財閥

まず、野村グループは戦前の15大財閥の一つで、主に金融業で大きな地歩を築いていたとのこと。これらが戦後解体され、野村証券や大和銀行、不動産、保険などに分けられたのだが、製造分野では大きな存在感を示す事業はあまり手掛けられなかったとのこと。

プレゼンターとなられた八巻社長はなかなか説明上手で、そこらへんの入り口から大変分かりやすくご説明いただいた。

その中で、数少ない野村鉱業がイトムカ鉱業所で水銀の採掘を行っており、その薬品事業が後の北興化学となり、その北興化学の技術者が中心となって、当時画期的であったGEの膜技術を日本で事業化し、現在の野村マイクロサイエンスになったということらしい。

よって、大きな意味でのグループとしては、野村グループと同じ系統に属すると考えて正しい。また、同社は超純水を供給する会社ではなくて、超純水を製造するシステムを供給する会社だということであった。

同社と同じように超純水の製造システムメーカーとしては他に栗田工業やオレガノといった水処理メーカーが挙げられる。ただ野村マイクロサイエンスのみは超純水分野に特化しており、その用途としては半導体デバイスの製造工程、液晶パネルの製造工程、医薬品の製造工程などに限られるという。

超純水の価格がどんなレベルかというと、なんと250円~350円/m3程度だといい、我々が飲んでいるPETボトルの水と比べるべくもなくかなり安いイメージのものである。ただしそれを、最新の先端工場1工場だけで、ほぼ横浜市の工業用水1日分全部を使用するくらいに大量に使ってデバイスやパネルを製造しているとのこと。

同社の業種別売上構成は、半導体がほぼ70%、液晶が15%、医薬が6.5%となっている。あたらしい用途分野の医薬に期待したくなるが、医薬分野からの品質要望は極めて厳しく、また採算的にも厳しいものが多くて、やはり主要ターゲットは半導体と液晶の二つが当面はメインであり続けるようである。

米中や日韓の貿易摩擦の影響はそんなに深刻にとらえているようではなかった。

それよりも、IoT、5G、クラウド、EV、自動運転、AIといったこれからの新しいテクノロジーの半導体分野への着実な需要増により期待をかけているようでもある。

半導体は実はいろいろな分野や製品があり、当然使用される製品も全て異なる。韓国を始めとした大手半導体メーカーは、それらいろいろな製品製造に対応できる工場建設のプロジェクトは着実に進めており、こんごそれらの工場で具体的に何を生産するかは決めていくのだという。

だから、現在同じ半導体分野に製品を供給するメーカーでも、工場の地下や一階(主に工場の基本設備が入る)に自社の製品を供給するメーカーは忙しく、二階や三階(クリーンルームなどで製品を生産する現場)に製品を供給するメーカーは注文が滞っているというように言う人もいるとのこと。

なるほど、同じ半導体分野といっても、中身はいろいろだとのこと。

なかなか合点がいく説明であった。


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