【オカダアイヨン(株)(6294) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2019年9月12日
プレゼンター: オカダアイヨン(株) 前西 常務取締役
主催: 日本証券アナリスト協会(大阪)

世の中いろいろな会社があるし、また会社の名前もいろいろである。

オカダアイヨン(株)という会社。説明会に参加して初めて知った会社である。

オカダアイヨンの「オカダ」は創業者の岡田さんという名前から、「アイヨン」は昭和30年代に同社が出した空圧ブレーカーの大ヒット商品、IPH400(通称アイヨン)に由来するのだという。未だに業界ではブレーカーのことを称してアイヨンと呼ぶのだそうだ。ゼロックスみたいなものだ。

事業内容は、ビルなどの解体現場でコンクリートや鉄骨を破砕、解体するアタッチメントの製造販売。アタッチメントとは言っても、結構ごつい。大きくて硬いコンクリートや鉄骨を建機の先に取り付けて破砕するのだから。

コマツや日立、住友、キャタピラーなど、アタッチメントを取り付ける相手建機のメーカーは問わないのだという。

同社の特徴は
・ 設計開発、製造、販売、修理を全て一気通貫で自社でやっているということ。通常、販売と修理は代理店が担当している競合先が多いとのこと。
・ 製造は自社工場ではなくグループ会社や協力会社に依頼しFABレスに近い。組み立て工程のみに特化している。

硬いコンクリートや鉄骨を相手にする商品だけに、必ず摩耗し、また定期的な修理を必要とする。このため自社で修理を担当するのはカスタマーサービスで有効であり、またそこでのユーザーとの接点から得られる情報を製品の設計や開発に活かせるのだという。

売上高に占める海外での割合は約17%、金額が30億円。その海外売上のうち、北米市場が68%、欧州9%、アジアが21%程度だという。ただし海外では、市場構造が国内で広く使われているようなハサミ型の圧搾機ではなく、とがった鉄心で破砕する油圧ブレーカーが需要の中心だという。

国内の圧搾機市場の40%程度のシェアーを既に占めており、今後シェアの拡大はそう簡単ではないと思われる。ただし今後、築40年以上の非木造の建築物ストックが一挙に増えてくるため、解体のマーケット自体は拡大が予想される。

一方海外では、先行している北米市場でもまだ同社のシェアは5%程度、欧州では1%、アジアでは10%程度と、今後の新規開拓余地は大きい。海外では一般的に、ブレーカーは価格勝負の世界なのだという。

2017年に林業機械やケーブルクレーンを製造する南星機械を買収している。日本の林業マーケットは2000年前後に国内材の生産が底を打ち回復傾向であり、木材総需要量も7年連続で増加しているのだという。また2024年には森林環境税が新設されるため、林業の復活への道筋も徐々にではあるが見えてきている状況らしい。今後の可能性は感じさせる。

ニッチな製品が活躍する市場について勉強させてもらえた。


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