開催日: 2019年9月3日
プレゼンター: (株)クボタ 木村常務執行役員
主催: 野村MIRAI 大阪
クボタのIR説明会参加は2回目。前回今年6月分の参加メモはコチラ。
今回の説明会を通して補足メモとして以下作成する。
同社の機械部門の売り上げは全社売上1兆8,503億円に対して1兆5,276億円(2018年12月期)。その内で建設機械が占める売上は約2,900億円。
農業機械が圧倒的に多くの売り上げを占めるが、建設機械部門も着実に売り上げを伸ばしている。
同社が供給する建設機械は小型に特化しており、代表機種、ミニバックホー(外形は小型シャベル)は17年連続でシェアNo.1。同社の小型建機が使われる市場は主に都市開発、都市整備に関わる需要であり、タイなどでの都市開発、整備事業で大きく需要を伸ばしており、またこれからもその需要はまだまだ伸びると予想している。
一方、同社の主力製品である農業機械は、欧米の大農場などで主力である大型トラクターのシェアはまだ非常に小さく、120~160HPの新機種M7を現在鋭意北米で拡販中であり、また2020年春には、米コーラ社をパートナーとして、ついに最大型機種M8(190HP~220HP)を販売予定であると。
農業機械の日本国内で同業他社といわれるヤンマー、イセキ農機がそれぞれ会社売上が7,966億円、1,560億円と、クボタの1兆8,503億円に比べるとその差はかなり大きい。
しかし世界レベルでは、アメリカのDeere and Company社が約4兆円で一位、オランダCNH Industrial社が3兆3,000億円程度で二位、クボタは世界3位の売り上げ規模となり、まだまだ弱小である。
まずは世界第2位を目指すべく、大型機械の投入を含め諸政策を邁進中であると。
ちなみにトラクターの市場は日本では4万台程度であるが、世界最大といわれるインドの市場は80万台あり、日本の20倍の市場規模となる。しかしクボタはこの大市場で現在1万台程度しか販売できていない。このインド市場を取るために、現在ローカルメーカーと合弁で工場建設をしており、2022年には同市場の5%を取る目標であるとのこと。
最後に全般的な感想として、海外志向でかつ実際に実績を出している同社のマネジメント力を非常に評価し関心しつつ、これは前回も感じたことだが、かなりの資源を投入しているインド市場での先行きに関し、注目し、かつ若干の危惧も感じられた。
中国市場で同社はあまり成功していないが、中国と同じく非常に難しい市場とビジネス文化を抱えるインドへは、今までに数々の日本メーカーがトライしては失敗してきた事実も見ているので。