【日新電機(株)(6641) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

2019年7月8日
プレゼンター: 日新電機(株) 寺本 常務取締役
主催: 野村証券 京都支店

先日ロームの会社説明会のメモで、京都には世界企業がなぜか多いと書いたが、今日も京都の企業のお話。

ロームが微量、少量級の電気を扱う会社とすると、本日の日新電機は重量、超重量級の電気を扱う会社。

中心事業として、発電や送電、受電の各ポイントでの必要となる電圧の変換やその監視、制御をする設備を製造ている(売上比約45%)。 その一方、装置事業として、有機ELディスプレイや半導体の製造メーカー向けに、主に大型のイオン注入装置を納入している(同24%)。

発電、送電、受電回りの製品需要は堅調

電気の流れは、電力会社による発電所から超高圧変電所、一次変電所を経て、工場や鉄道会社、オフィスビル、上下水道などの公共設備、住宅などに送られていく。この様々な過程で、同社の製品は使われている。

特に、工場やオフィスビルでのシェアが高いという。当然それら設備の受注にともなって、それ以後に発生する保守、メンテや診断業務も売り上げの20%程度を占めるまでに成長している。

電力回りの市場環境はというと、堅調だという。

最近北海道で起きたブラックアウトのような状況が二度と起きないようにしなければならないこと。そして再生可能エネルギーの比率が高まり、それに応じた系統の安定化を図らなければならないこと。このような問題解決のための、次世代の電力ネットワーク構想が動き始めているという。

また、2020年から発電と送電が分離されることに伴い、関連投資が増える。

一方民需の方は、ほぼ40年といわれている設備の寿命で、1970年~80年代にかけて大量に建てられた設備の更新時期がこれから迎えることにより、堅調に推移すると見ている。

海外においても、特に中国で、内陸部→沿海部、沿海部→各地への超高圧送電事業の投資を再開するとにらんでおり、品質に優位性のある同社製品への需要が高まってくると考えている。

アジアのFPD、半導体向け需要の大幅な影響は今のところない

また、同社は装置事業として、FPD、半導体の製造工程で使用されている大型のイオン注入装置を製造している。そのグローバルシェアは100%を維持しているという。

主要ユーザーは中国や韓国のパネルメーカーであるが、彼らには当然、かなり前広に客先の設備投資予測の動向が入ってくる。その市場動向を注視しているが、今のところ、19年度後半からの回復を予想している。

5G向けの買い替え需要が起こること、フォルダブル型のスマートフォーンが市場で立ち上がってくること、などがその背景にあるのだが、19年度計画でも、売上は減少するが(304億円→245億円)、受注高は回復を予想している(169億円→315億円)。受注から納入までの納期は通常約1年。

2016年に作成した5か年中期計画とのズレは、2018年度において、予想1,450億円に対して実績1,262億円。これは主に、太陽光や風力などの新エネルギー部門の大幅な需要拡大を予測していたのが、需要が思ったように拡大しなかったことによると。

会社全体としては、堅調な電力分野に事業を下支えしつつ、装置分野の復活と拡大、新エネルギーのさらなる立ち上がり、保守、メンテ事業などの確実な成長を見込んで着実な成長を果たそうという目論み


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