開催日: 2019年11月8日
プレゼンター: オプテックスグループ(株) 小國 代表取締役社長兼CEO
主催: 大和証券 神戸支店
オプテックスグループ(株)は、ちょうどIR説明会がある前日の11月7日に2019年12月期第三四半期の決算発表を行っている。その時に、今期の売上予想を6%強、利益予想を20%下方修正している。そして今期予想数字の下方修正は、7月に続いて2回目となる。
下方修正の理由は、海外でのセキュリティー事業の需要減や原価率の上昇、工場や倉庫向けのオートメーション事業がユーザーの設備投資減退によって需要が減っていること、などを挙げているが、民需と産業用という、ある分野の異なるユーザー層を持つ同社の業績停滞は、世界経済の鈍化の広がりを感じさせなくもない。
同社の売上高は400億円強であるが、その内47%が防犯セキュリティーセンサーや自動ドアといった、建築分野で使われる事業、45%が画像検査用の照明や工場や倉庫などで使われる各種センサーなど主に産業用で使われる事業となっている。
その内、防犯セキュリティー用センサーは、よりセンサー精度の管理が難しい屋外用で業界の信頼を勝ち取り世界シェアー40%に達し、他にも自動ドア用センサー、画像検査用照明が同30%と、ニッチ分野で世界No1の商品を複数持つ。
同社の業績は過去、2008年から2009年にかけて、リーマンショックの影響を受けて一挙に業績が悪化した時期があった。その後順調に売り上げ、利益ともに伸ばし、2008年比ほぼ2倍の業容で2018年の決算を締めくくっている。
今回の業績の落ち込みは、リーマンショック時のガクッと断崖のように落ち込むものではなく、落ち込み方はジワジワと鍋底で、いつまで悪い状況が続くのか見えにくいものであるのだという。
いろいろな業界で工場の製品検査工程で使われる画像検査用照明は、ちょうど1年前、昨年11月くらいまではまさに絶好調の状況であったらしい。それが現在は先が読めない状況となっている。
これは同社だけに限るものではないのだが、やはり他でも聞かれる話と同様に、来年前半までは厳しそうな状態だが、その後は5G なども立ち上がるので回復するだろうとの見立てである。
非常に特徴があり、またグローバルに強い製品群を持っているオプテックスではあるが、それらの地歩を市場で固めた現在では、かなりの部分がユーザーや市場の動向に左右されており、オプテックスの能動的に動ける範囲は限られており、その状況を自ら打破したり、また新たな新規分野を切り開いていこう、といった印象は、今回の説明会においては感じることはできなかった。
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