2019年7月11日
プレゼンター: (株)幸和製作所 長島 代表取締役副社長
主催: SMBC日興証券 大阪支店
大阪堺に本社を営む、福祉関連商品を製造販売しているメーカーだという。
日本の人口推移が今後ますます高齢化の一途をたどるということで、福祉関連の銘柄は手掛けられやすいのだろう。
17年11月末にJASDAQに上場し、同年押し迫る12月29日に最高値を取った後下降傾向をたどり、最高値を取った日からちょうど一年後、昨年12月28日に当面のボトムを取って、以後緩やかに回復途上にある、そんなチャートを描く同社の株だが、PERは29倍前後と、けして割安ではない。
同社が主に手掛ける製品は、歩行器やシルバーカーといわれる歩行補助用具。 正確には、介護保険制度のレンタル対象品目となっているものを歩行器(歩行車)、保険制度とは全く関係なく、高齢者が外出や買い物などで手押し車的な使い方をするものシルバーカーと呼んで、区別している。
この二つの製品(シェア46.8%)と、歩行補助用の杖(シェア28%。どちらも数量ベース)とで国内シェアーのトップメーカーなのだという。
同社の製品別の売上高では、歩行車が全売上の29.4%、シルバーカーが同30.6%、杖が同9.1%で、この3品目で全体の7割を占めている。
確かに最近、ご高齢の方が、このシルバーカーを押しながら近所の買い物に出歩かれている姿はよく見られるようになった。今後もこの分野は着実な市場の拡大はあると思われる。
だが、中期計画では、それだけでは業容の拡大は不十分だと考えているのだろう、以下の四つを大方針に掲げている。
- 「福祉用具」から「健康、生活用品」までの取扱商品の拡大
- 福祉用具製造からサービス事業までシニア関連事業の拡大
- 介護ロボット事業の確立
- 海外市場の開拓
どの目標をとってみても、かなり力仕事のいる目標である。残念ながらその個々の目標に関して、もう少し踏み込んだ具体的な話はなされなかった。
2020年~2022年の3年間を成長拡大期の目標に据えているが、まだ時間があるからと考えているのか。あるいは、着々と水面下で、M&Aなどの準備を進めているのか、そこらへんはわからなかった。
これら4つの方針の、一つでも着実に実行できれば現在の高PERも正当化できるものになるのだろう。
今後の経営者の手腕に注目したい。
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