【伊藤忠商事㈱ (8001) 個人投資家向けIR説明会参加メモ】

開催日: 2019年11月27日
プレゼンター: 伊藤忠商事㈱ 長沼IR室長代行
主催: SMBC日興証券 京都支店

総合商社の一角、伊藤忠商事。最近、同社が精力的に会社のIR説明会を開催していたのは認識していたが、正直、総合商社は会社の業容が幅広く、かつ膨大で、時間が限られた説明会でそれらの動きを理解できる説明はしてくれないであろうと、敬遠をしていた。

だが、意外にも、内容は非常に凝縮し、かつ経営者が何に注力し、会社の経営をどういう方向にもっていこうとしているのか、非常にコンパクトにまとまったよい説明会であった。

総合商社の中で業績も堅調であり、実際、株価も動意づいている。

説明会でのキーワードと感じたことは、

―現会長の岡藤氏が2010年以後会社を率いており、会長がCEO、社長がCOOという変則的な体制で、経営方針の意思決定とその執行をしっかり分業して実行できていること。

総合商社の中では例外的に資源やエネルギー関連のビジネスへの投資を抑制し、余った資産を繊維、食料、住生活、情報、金融といった生活と消費に関連したビジネスに集中投資していること。

―子会社のファミリーマートを軸とした商売をコアとして、うまく面へのビジネスの広がりを展開できていること。

―人事制度や組織の体制を柔軟に変革できていること。

総合商社は元来トレードが主体であり、おのずとボリュームのはる資源、エネルギー、機械といった商品がその中心アイテムであり、投資もそれらの川上を抑える、あるいは販売網を築く、といった動きが多かった。その中で、伊藤忠商事のように、かなりはっきりと、メリハリをつけて非資源に集中する方針を立て、かつ、それをブレずに実行できたことが、現在の躍進につながっていることは明らかである。

一点、過去に非常に大きな投資を行い、昨年その減損処理も行っている中国でのビジネスの今後の展開の見通しと具体図は、不明のままであった。国際的な政治や経済の環境を見る限り、中国ビジネスへの見通しはより不鮮明になっており、この部分への目配りは、伊藤忠商事の今後を追う上でも外せない点である。


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