2019年3月4日
プレゼンター:先濱代表取締役社長
蝶理は繊維との関わりが深い
蝶理、かつて80年代、総合商社に次ぐ専門商社の一角として活躍していた記憶がある。最近は一体どんな活動をしているのだろう。楽しみに参加した。
繊維が強い商社、というイメージはあったが、現在もやはり繊維関連は同社の主力アイテムである。ただし繊維とはいっても、中には自動車メーカー向けのカーシート素材や建築資材など、衣服だけではなく産業資材も幅広く取り扱っているらしい。
現在、大株主は東レ。持株比率は50%を超えている。ただ、東レとの取引は全体の3~4%程度とのこと。同じく東レの子会社である東レインターとは異なり、ビジネスに関して言うと独立独歩的に行動している感じを受ける。まあ、東レの名前を便利に使えるところは使っているのかな、くらいの印象。
それでも10年前は繊維関連の売り上げ比率が56%であったのが、18年3月期現在、それが36%に下がり、化学品と機械関連ビジネスとが伸びて、それらは全売上の64%までに成長しており、全体のバランスはよくなっている。
蝶理と中国との関わり
同社と中国との関わりは、1961年、まだ日中間の国交も開けていない時代に、中国が指定した日中友好商社第一号の25社の内の一社に指定されており、昨年秋に安倍首相が訪中した時に開かれた日中第三国市場協力フォーラムにも並み居る大手企業のトップとともに先濱社長も参加されている。
おもしろいビジネスだと思ったのは、中国の自動車メーカーの車を第三国向けに輸出していること。メーカーなどは確認できなかったが、独自性のある中国メーカーの電気自動車などは、きっと将来おもしろい商材になるに違いない。
現在独自の取り組みとして、メキシコの自動車組み立てメーカーに向けて、中国乗用車メーカーのノックダウン部品を輸出供給してメキシコで現地組み立てを行い、北米での関税スキームに対応するといったユニークな試みを行っている。
セミナーでは米中貿易摩擦や中国の景気減速下、業績にはぶっちゃけ影響しないのかとの質問がQAで出ていたが、影響は無くはないが、中国の将来性は非常に楽しみなものがあり、前向きにとらえているとのニュアンスの回答であった。ただし米中貿易摩擦はシステムの対立の面があり、そこに対しては若干不安を感じられているのかなという漠然とした印象を個人的には持った。
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