ブドウの香りが溢れ出る
最近日本酒を語る場合かなりワインのソムリエやそのテイスティングの手法から影響を受けていることが多くなっている。利き酒でもまず最初に鼻から香りを嗅いで色味を見て、振って粘度を見て、等々。
しかしこの香りもまた様々。また人によって感じ方が結構バラつきがあるのでまた厄介である。例えば、醸造の過程で微妙なバランス取りに失敗してかもし出るひね香という独特の匂い、これも人によって許容範囲や受け入れ方もそれぞれ。
で、手元の日本酒の教科書を見ると、例えばフルーツ香に関して言うと、単にフルーティー、ではなく、リンゴ、ナシ、洋ナシ、バナナ、イチゴ、ライチ、レモン、梅や花の香り等々際限なく香りの要素の例が挙がっている。
確かに人に言葉でお酒を表現する場合、自分が感じ取った香りを具体的な言葉で伝えるのは大事であり、イメージはより的確に伝わりやすい。だけどこれがなかなか難しい。【神の雫】の登場人物達が本当にうらやましい。
いきなり香りの話にしてしまったが、このお酒、香りが噴火、溢れ出る。ブドウがワンワン。つたない語彙だが、香りが強い、薫酒の二重丸に位置するお酒。
醸し人九平次の純米吟醸酒山田錦も同様だが、ダイレクトに分かりやすく香りを嗅がせてくれる、そういうお酒を設計してちゃんとその設計図通り綺麗にお酒が仕上がっている、そんな作り手さんのお手間も感じます。
九平次を含め、愛知のお酒は全般的に香りが非常に大事にされている地域なんだなあと、そんな印象も持たせてくれるお酒である。
香りあれば刺激もあり。
海外にも積極的に目を向けている九平次ブランドのお酒。是非、日本酒の認知度を上げていってほしいです。
(株)萬乗醸造(愛知県名古屋市)
使用品種: 山田錦
精米歩合: 55%
瓶のラベルには、「日本酒を楽しむ旅にでて欲しい、そんな思いを込めました」
購入場所:「酒のやまもと」大阪店
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