梅田の阪急デパートの地下の酒屋。定期的に2-3蔵が出店して試飲をさせてくれながら即売会をやっている。他のデパートでもやっているのだが、この手の即売会は蔵から直接人がでている場合が多い。直接お話を聞かせていただくチャンスでもあり時々利用する。
今回購入したのは新潟県阿賀町の下越(かえつ)酒造の「蒲原(かんばら)」。
新潟県とは言っても、かなり福島県に近い。地図で見ると新潟と会津若松を結ぶ磐越西線の中程にある。阿賀野川が会津方面から新潟方面にうねうねと山あいに流れ、ちょうど下越酒造のある津山のあたりで南から流れ出てきた常浪川と合流する。暖流の阿賀野川に清流の常浪川が合流することにより、通年このあたりは霧が発生しやすく、この湿潤な気候が酒造りにはかかせない微生物の活動や発酵を助けるという。
お酒は、というと、無濾過のせいかほんのり黄色味がかった無色透明の液体から、香りはかなり控えめ。ほんのりとした吟醸香がバナナの香りや米、酵母由来の原料香とともにただよう。
後味の心地よい苦みと辛さは、口に含んでいた時の甘い広がりとかなり対比があり、この辺にも無濾過生の糖化と発酵の進行している微妙なバランスが出ているのかなと感じられる。
料理は生しらすのサラダを作ったが、さすがにちょっとバランスは悪い。同じ新潟でも、会津に近いだけあって、お酒の特徴はやはりかなり異なるのだろう。
でも、食後に飲むこのお酒もまたうまいこと。ゆっくり味わってかなり幸せになれるお酒である。
下越酒造(株) 新潟県東蒲原郡阿賀町
原料米 たかね錦100%
精米歩合 50%
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