吟醸酒の温度の微妙な変化を楽しむ
日本酒の森に迷い込むと、スッとはれた霧もまたまたどこからともなく漂い始めてくる。
今日は吟醸酒で有名な【黒龍】の中でこなれた価格で買える【黒龍 純吟】を愉しむ(ルンルン)。
といきなり冷蔵庫から瓶を出して開栓、注いだグラスに鼻を近づけてクイクイ嗅いでもほとんどにおいが感じられない。ムム?
ちょっと口にふくんでもあいかわらず香りは閉じたまま。味わいもなんか縮こまっている感じ。そして口に含んだお酒を飲み下した感覚はあっけなく切れる。まるで拒絶された人にサッと立ち去られたよう。
こんな感じで最初とまどって、しかたないからいじいじつまみに箸つけて酒と食事を進めていた。
先週立ち飲み屋さんで会った滋賀の酒蔵の蔵人さん、そういえばグラスを掌で抱え込んでちょっとづつお酒の温度下げながら飲んでたっけ。そんなことを思い出しながら、ひと時、自分もグラスをひよこ抱くみたいに抱え込みながらチビチビやっていた。。
そうしたらある時急に、やたらとこのお酒がおいしいと感じだした。アンバランスで怜悧だったお酒がなんとも親しく包み込むような感じで口に溶け込む。それでいて綺麗。余分な酸味や甘さも感じない。微妙な温度の変化による恩恵なのか。なんておいしい。そしてああ幸せ。
黒龍酒造(株)
使用米:福井県産五百万石100%
精米歩合:55%
日本酒度+4
アルコール分15度
このお酒の自身のHPでの紹介。”福井県産五百万石が持つ米本来の旨みを引き出しつつ、爽やかな飲み心地を追求しました。味と香りのハーモニーが醸す深いうまさの純米吟醸酒です。”
このお酒のボトルの形も絶妙。
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