日本酒のブランドのロゴ、達筆な漢字で書かれているもの結構多い。
自分に馴染みが無いものだと、どうしても読み方に難渋してしまう。
「満寿泉」の「満」と「寿」の字、まるで波が怒涛のように岸壁に打ち付ける様のような字で書かれており、裏のラベルを見るまでは読めなかった。
じつは今回の場合、それで漢字は分ったのだが、まだ「まんじゅせん」と読んでおり、表ラベルの下に横文字で小さく、「Masuizumi」と書いてあるのを見て、読みも違ったのか、とあらためて気が付いた。
酒屋で読み間違えをすることは慣れているので、別に最近図太くはなったが、それでも、怪しい時は、「これ」とか「あれ」とか言ってしまう。
地元の人には馴染みのある名前なのだし、知らないお前が悪い、という話だから余計なお世話なのだが、もうちょっと工夫をしてくれても、とおもうことも少なくない。
ではなんで酒屋でそんなお酒を選んだの、というと、一つは富山のお酒だったから。もう一つは、大吟醸の割に2,000円台で買えて、余計飲みたくなったから。
酒蔵は、神通川が富山湾の喉元に流れ込む河口、富山港のすぐ近く。地図を思い浮かべるだけでホタルイカやシロエビが頭からはなれず、口に唾が出てきてしまう。
富山は学生時代、縁があって時々訪れた街。神通川をはさんだ向こう岸の酒蔵でつくる羽根屋も大好きなお酒。そして最近、アルコール添加はやっぱりバランスよくてどんなつまみにも合いやすいよね、とアル添酒のストック比率も増えてきつつあるところ。買わない理由は無い。
蔵の名前は枡田酒造。今さら気づいたのだけど、「満寿」に「枡」を掛けてたんだね。やっぱり、酒屋さんでコレ下さいと言っておいて正解だった。
裏ラベルに書いてあるコメント。「50%精白米を用い、最高の醸造技術を駆使し精魂を注いで造った当店の自信作でこざいます。どうぞこのさわやかな切れ味のよい日本酒の精髄をお楽しみください」
飲み口はというと、インパクト抑え目。で綺麗なんだけど、テクスチャーは意外と口にとどまる感じ。旨みあり。ちょっとびっくりしたのが、辛さ。ぴりぴり、いい意味で苦みが残るくらいの辛さ。これって酵母が糖分かなり頑張っちゃって食い尽くしちゃったのかな、とまだ見ぬ酵母に畏敬の念。
普段、香り系が好きな家内も、なぜかアル添の相性いいのだが、案の定隣でコクコクやっている。
こりゃ温めたらまたいけると、箱からミニ燗すけ出してきてぬる燗に。味と切れは鈍らず、でも味の世界は広がる。やっぱりワタ系にはこちらの方が良い。
よく、おちょこやグラスにちょこっと飲み残したぬるいお酒飲むと、ああ、お酒って甘い水、と思うこと多いのだが、今回はそれでもしっかり辛めの水でした。
特撰 満寿泉 大吟醸
原材料 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
枡田酒造 (富山市東岩瀬町)
精米歩合 50%
アルコール分 16度
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