【日本酒堪能記 両関(りょうぜき) 特別純米酒】

本日は東北は秋田県米沢の両関両関酒造の創業は明治初期にまでさかのぼり、その母屋と蔵とは国の登録有形文化財にも指定されているほど。

同蔵は創業当時から杜氏を自社で育てることを方針としているという。

他の多くの酒蔵も同様ではあるが、両関酒造はもともと地元に愛される普通酒を得意とする酒蔵ではあったが、今世紀に入り純米酒や吟醸酒にも力を入れ、そちらの分野でも人気を博している。

醸造工程ではいちはやく、低温でゆっくりと時間をかけてアルコール発酵を行う低温長期醸造法を取り入れて、その技術を他の蔵にも公開して地場の酒文化の品質向上にも貢献しているという。

その両関酒造がつくる特別純米酒は同蔵唯一の山廃仕込みのお酒。

まず冷酒でいただく。上香は強くはないが、口に含んでから後味までは一貫して香りのトーンが味のベースにある。味は細く、広がりは限られている。のみ口および余韻は辛口、ドライ。綺麗ではあるが、それでも強くはない香りで他の要素が抑えられている印象。さすがに山廃仕込み故か、クリームチーズとの相性は抜群。氏素性の異なる二つの乳酸菌の邂逅か。かなり得した発見をした気分。

ぬる燗にして(40度前後)いただく。Oh! Good!。香りの要素は後ろにかくれて味がまろやかにふくらむ。口に含んでほんのりと心地よい甘さも登場する。幸せになれる燗である。

通常ちょっと生臭さをのこしてしまうオイルサーディンとも合わせてみたが、相性はぴったり。白ワイン(安物の1000円ワインですが。。)がオイルサーディンの味を切って合わせていた印象なのに対して、このぬる燗とオリーブオイル、サーディンが正面からマッチングしている。一方、クリームチーズと合わせると、今度は同化してしまってチーズの味が消えてしまい、ちょっと物足りなさを感じる。

なかなか奥が深い。。

酒名: 両関 特別純米酒
酒蔵: 秋田県湯沢市 両関酒造(株)
精米歩合: 60%


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