【日本酒堪能記 大観(たいかん) 雄町純米吟醸】

大観(たいかん)。と言えば、いわずと知れた日本近代画の大家横山大観からとった名前だという。実はこのお酒、酒屋さんで購入する時、お酒の特徴だけを聞いていくつかの候補から選んだので、お酒の名前が「大観」だとは知らなかった。だってラベルの「観」の字がいたくくずしてあって読めないんだもの。。。

ホームページによると、代々蔵元と親交のあった水戸出身の横山大観が、酒の旨さと蔵の町への貢献を評価して自らの雅号をお酒のブランドに命名したとのこと。横山大観といえば大酒飲み。そして当時の硬直的な学会に背を向けて茨城県五浦にこもった岡倉天心にくっついて、菱田春草らと同地を拠点に創作活動に励んでいた。日立の地で、酒造をはげむ酒蔵との両社の歴史上の交錯をひもとくと、さらにいっそうお酒にロマンを感じてしまう。のは私だけ?

HPの最初には、「澄みわたり、自然な米の旨みがある酒。そして、時代に合う食中酒。フレッシュ、軽快、透明感」とある。この酒蔵がめざしている方向がよくわかる。毎年ロンドンで開かれるインターナショナルワインチャレンジ(IWC)に積極的に出品していることもこの方向感に合致する。

香りはそこそこ控えめ。味わいはたっぷり水分を含んだ果実の甘さと酸味が広がるが、味のボリューム感は比較的細い。後味は甘さと酸味と若干の苦みが後を引く。きれいなお酒で、フレッシュ、軽快といったキーワードはHPでうたっている通り。

今後創業150周年を期に代表銘柄を「大観」から「富士大観」に順次変えていくという。個人的には「大観」も悪くないと思うのだが。

森島酒造(株) 茨城県日立市川尻町
原料名 米(岡山産)、米麹(岡山産)
精米歩合  50%
アルコール度 16度
日本酒度 +2
酸度 1.7


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す